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zoom RSS よけ藩戦士録

<<   作成日時 : 2008/01/31 22:12   >>

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 よけ決戦より、嘉納の個人見解

〜いや、美少女だし! 殺されてもむしろフラグみたいな? まあ、あれですあれ、大儀とかよりましでしたええ〜


 その日は、よけ藩国でもいつにない、とても静かな日だった。

 ざわめきに言葉が無く、ただ誰もが静かに作業していた。

 鋼の体に次々と装甲をつけてアメショーが、ある。

 むき出しになった内部構造はどこか、冷たい死んだ人間の臓器を思わせる。
 
 間接部を隙間無く覆い、虎の子の砲がつけられる。

 並んだアメショーはまるで、差が無く、同じ生き物が、位置を変えてあるだけのよう、カゲロウの様に実在感を喪失している。
「まあ、つまり、戦争ってことだよなあ」
 それらを眺めて、よけ藩の摂政〜俗物〜嘉納は静かにつぶやいた。

 謎の勢力、そう、犬ですらないまったくもって政治的でない敵に故郷を追われてから、よけ藩国はそれなりに平和を保っていた。
 戦力のなさに関しては犬も猫も等しく疲弊しており、消極的で、静かな平和満喫していたと言っていい。

 幾多の戦争があっても、それはあくまで遠い場所のことであり、また藩王たる海法の華々しい戦果は国民にある種の高揚感を持たしても、あくまでその凄惨さは遠かった。

 そして、それがまた破られる日が来ようとは思っても居なかったのであろう。

 記憶は幸いに働いた、かつての教訓は未だ生々しく、市民は迅速に、避難した。
 財産はほとんど放置されたが、予想された略奪などは起こらなかった。
 ただ静かに、人々は、生活権を放棄したのだった。

 流れる避難情報を見ながら、嘉納はぽっとのお湯を捨てると紅茶の葉を入れた。
 
 そのまま空気の入った熱いお湯を注いで蓋をする。
 
 ポットを抱えた嘉納は、そのまま待機場所に向かった、格納庫の端、そこに今回タッグをくむ、メビウスが静かにメモを取って座っていた。

 綺麗な顔立ちの多い、よけ国でも、群を抜いて透き通った美貌に、嘉納は首を振った。
 惜しい、どうしてこう、惜しいのか。

 自国の特徴の悲劇性を感じて嘉納は、涙を流した、あふれる涙、視界が閉ざされる。

 突如涙を流して悶えている同僚を目にして、メビウスは静かに祈った、宗教は持たなくても祈りは捧げる。
 一刻も早い平穏と完治を、メビウスはさわやかに祈ると、紅茶のポットを取ってブリキのカップに注いだ。
 アールグレイの濃い香りが、広がる。

 その豊かな香りを楽しみながら、イヤホンから流れる状況に耳を傾ける各国の情報は既に集められている。
 ドコモに多様な状況だ、よく分からない敵、一名ないしは10以下の個人に国を蹂躙されている。

 物量を超える個人、物語にしかならない存在と戦争するとことになるとは。

 メビウスは手が冷えるのを感じた、よけ藩国はけして兵器が豊かな国ではない。
 だがそれでもなお、国を支える理術師より高い一撃をたたき出すのも兵器である。
 
 考え込むメビウスの横で、紅茶に入れるミルクを忘れたことで傷ついた嘉納は、静かに思っていた。
 まったく持って気に入らない、そもそも会話の出来ない相手との戦いを戦争と呼ぶのだろうか。
 コレはまるで、そう、猛獣に襲われたのとかわらない、猛獣相手には政治も何も意味がない、妥協点がない、生存のための戦いは悲惨で過酷だ。
 悲しみはわかない、ただ等しく疲れだけを感じる。
 
 出撃を告げる音が広がる。

 メビウスは、本を閉じる、精神がゆっくりと静まっていく、刹那よりも短い時間で静まった心、いまや静かにその暴力を眠らせるアメショーに命を吹き込むように、コクピットへと進んでいった。

 嘉納は、大きく右手を振って、疲れを吹き飛ばすと、ヘルメットを片手にもってゆっくりと歩き出した。
 そのまま半分ほど言って戻ってくる。
「紅茶、のんどいてね、お湯継ぎ足せばかなり呑めるから」
手近な整備員に伝えてそのままコクピットに戻る、いつも通り心が動く、ただそれが、必要であると、感じる限り。
 祈りにもにた言葉が胸をふさいだ。




 嘉納は底にそれがあると感じていた、いつも隣にあるもの、等しくあるもの。

 メビウスの通信は既に切れている、機械的なものではない、おそらくパイロットを何らかの方法で、まったく活動できなくした、最悪の場合。

 機械的でもなく、また物理的ですらない、攻撃、現実感が失われて、より、隣にいるそれを感じる。

 それでも、目的は果たさねばならない、偵察は達成された、次は交渉、いや、交渉出来るのだろうか。

 ゆっくりと、センサーを広げる、もはや視認する出来る、対象はおそらく女性、髪が長い。

「あー、あー、マイクのテスト中」
「えー、貴君の目的をお教え願いたい」

 それを感じたときに、嘉納はいつも唱える魔法の呪文を思い浮かべた。

 次に起きたことは覚えていない、ただ、こちらにわずかに視線がきたような気がする。
 動機が激しくなる、文字通り、握りつぶされるような感覚がくる
 血の気が引いた、文字通り、手の先まで冷えている。
 全身がふるえている、骨の髄までに捕まれたような恐怖だけが動いていく。
 
呪文は確かに効果を発揮した。

 反射的にレバーを引く、アメショーが派手に弾をばらまきながら、倒れ込むように回る、諒の手を振り回して安定、友軍機の位置をを確認し、出来るだけ離れるように回り込む。

 強引な軌道に間接が悲鳴を上げてる、命を削るような音が精神を削っていく。

 右に40度、回り込むように後退するが、敵がまったく表情を変えない。
 ありったき制御を切って機体をスリム化、同時にエラーが大量に発生するが全て無視して移動だけに機能をしぼっていく。

 吐き気すら感じるGが脳を揺らしていくブラックアウト寸前の空気が灰を押しつぶすよう感じが逆に心地よい

 射撃の海の中、まるで凪のような顔をして、こちらなどまったく目に入っていない敵が見える、鮮やかな黒い髪が風に広がるのがとても美しい。

 居ることは分かる、ただ対象として感じていない。
 そう言いたげな顔の、眉が少しゆがむ

 退屈だといわんばかりに腕を振り上げる、閃光一閃空間を引き裂くような光が走る
電気信号より早く装甲が消えていく、声を出すヒマもなく、灰が焼かれる。
 痛みを感じるまでもなく、肉が炭化して、
 最後に見た閃光の前、嘉納ははっきりと相手をみた、そして思った。

 それは、魂からの叫びであり、まさしく、カレの望むところであったこと疑いもない


 殺されるのが美少女でよかったと

 一瞬の閃光でアメショーが崩壊する。

 木々をなぎ倒す一撃は装甲番を溶解させ、一撃でコクピットを激しく切り裂いた。
 爆音
 粉々になった破片が周囲を切り裂く、文字通りの即死、おそらく衝撃すら感じることもなく、嘉納は死んでいた。

  だからいつも死の明るい面を見ていこう

 ふと、そう響いたような気がした。 


「かっこつけるもんじゃないなあ〜」

 病院のベットに宙づりになりながら、嘉納はしみじみとつぶやいた。
 
 全身やけどで心停止、そこから奇跡のような生還、代償としてやすくても、響く腰の痛みは耐え難い。

 見舞客もいない時間、自分で出来ることがないだけに、猛烈な後悔だけが、感じられる。
 
 真っ赤な色をした後悔、恥ずかしい、猛烈に恥ずかしい

 だいたいあれであるあれ、結構悲壮感とかによっていた分がばりばり感じられる。

 そもそもなんだなんだ、ほかにも出来ることはあったし、最悪機体を放棄する手だってあったじゃないかあ。

 ぐはああああーと声にならない声でつぶやくと嘉納はぎしぎしとロープを軋ませた。

 最新の医療技術万歳、明日には退院できるそのために力だけが有り余っている
「お、これはなかなか」
 派手に動くと少し腰の痛みが和らぐ気がする、反動をつけてさらに激しく

 ふわふわとした感触が癖になる、げらげらと笑い出したくなったとき、包帯が切れた。
 落下
 
 声にならない響きが青い空に響く、犠牲は出来るだけ出さないように、悲鳴はできるだけもらさないようにするのが、よけ藩病院のたしなみ

 平和は犠牲の上で成り立つ、だからこそ私たちはその犠牲を忘れない、そんな往々強い悲しみのこもった、悲痛な叫びだったような気がした


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